la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
マトリョーシカ、君に歌うべき歌はあるか?
「ジョージ・セルはベートーベンのピアノ協奏曲第二番の演奏におけるグールド自身のアプローチを『女性的』だと批評したが、そのことを彼はけっして許そうとしなかった。」
(ミシェル・シュネデール『グレン・グールド 孤独のアリア』)


羊の皮もかぶり慣れると意外に快適なもので、雨ニモ負ケズ私はベランダ園芸にいそしんでいる。だいぶ茂ってきたタイムを摘んでハーブオイルなんか浸けてみたりしてね。

結局、私はもともと羊的人間であって、今まで狼的要素に憧れるあまりそれを認められずにいただけなのだ。

それでも、時に羊の内側で狼が唸る。うなじの毛を逆立てて牙をむく。

何なんだ、今さら?

羊的パッケージに向けられる軽視や侮蔑、恩着せがましい保護欲や意地の悪い征服欲、時には妬み。それらが私の内部に、澱のように沈んでくる。

羊の皮は狼を縛り、狼の牙は羊を傷つける。私は羊になりきれず、かと言って生来の羊の皮を引き裂くこともできず、ただ歯噛みする。

羊の内側に狼。その中にまた脅えた羊の気配。その中にはまたまた怒り狂った狼。まるで玉葱のように、そうやって剥いでゆくと最後には何も残らないのかもしれない。

イメージと実体とを事もなげに一致させている彼ら/彼女らに、私は微かな羨望を覚える。彼ら/彼女らは少なくとも、現実と対峙する時に自己の立ち位置が揺らぐという不安からは自由でいられるのだろうから。
ショパン? 馬鹿ばかしい。雨だろうと晴れだろうと、私にはゴールドベルク変奏曲の永遠の堂々廻りがふさわしい。私が他のどんな形式の音楽より変奏曲を偏愛するのは、定まらない本質を様々に綴ってみせる、その不毛な美しさ故なのだろう。

…なんて言っちゃ、バッハに失礼なんだろうけど。
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