la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--) --:--:-- | スポンサー広告 | Trackback(-) | Comment(-)
レジスタンスの心得
「敗北の布石は終わった。さあ、戦争を始めよう。」(「負け戦の天才」の墓碑銘)

昔、とある国のとある広場に、立派な将軍の銅像が立っておりました。
三度にわたる戦火をくぐり抜け、五度にわたる議会の取り壊し決議を免れたその銅像の台座には、流麗な書体で「負け戦の天才」と刻まれています。

像の落成から遡ること数十年。霧煙る早朝、角笛の音と共に、この「負け戦の天才」は「残虐王」の率いる百万の軍勢に無謀な戦いを挑んだのでした。

彼はそこで散々な敗北を喫しましたが、それでも、自軍の二倍の損害を敵に与えました。故に、彼は「負け戦の天才」と呼ばれるようになったのです。

言い伝えによると、彼の墓碑銘は出陣の朝に彼が呟いた言葉なのだそうですが、いったい誰がそれを聞いていたのでしょうか。

その合戦での王軍の死者は二名でした。一人は行軍中に石につまづいて落馬し、不運にも味方の馬に蹴殺された者。もう一人ははるか後陣の飯炊き兵で、王の朝食のじゃが芋を充分に茹でていなかったかどで打ち首にされた者。

対して、「負け戦の天才」率いる叛軍の死者はたった一名でした。百万の軍勢と戦って、ただの一名です。
それは他ならぬ負け戦の天才、姿のない味方を鼓舞しつつ単身で王軍に切り込んだ、彼自身でした。

そんな彼の銅像を広場に建て、議会が取り壊しを決議する度に署名を集めて反対してきた町の人々は、実にユーモアのセンスに富んでいると言う他ありません。

けれども、彼が成し遂げた本当の偉業は、その犬死にではなく…。

大袈裟な宣戦布告で「残虐王」に百万の軍勢を率いさせ、その王が好んだ無益な殺生を二、三日のあいだ食い止めたことだったのです。

今日、彼の銅像に花輪を捧げる人々ですら、そのことにはまだ気付いていないのですが…。
スポンサーサイト
Comment
≪この記事へのコメント≫
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する
 
Trackback
この記事のトラックバックURL
≪この記事へのトラックバック≫
Designed by aykm.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。