la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--) --:--:-- | スポンサー広告 | Trackback(-) | Comment(-)
今、私に必要なもの
「料理には魔力がある。」
(『キッチン・コンフィデンシャル』アンソニー・ボーデイン)


面白い。べらぼうに面白い。
この『キッチン・コンフィデンシャル』はプロの料理人、それもアメリカのトップクラスのシェフが赤裸々に描く、暴走ノンストップ厨房遍歴だ。非常にアメリカンな、頂上とどん底とその周辺で生きる人々の物語(ノンフィクション)。容赦のない内情暴露にレストランで食事をする気はすっかり失せるが、善意も悪意もとことんオープンなのでいっそ爽快だ。月曜日に魚料理は食うな。ムール貝のワイン蒸しは決して頼むな(私の大好物なのに!)。ブランチメニューは避けろ。エトセトラ、エトセトラ。

アルコールとドラッグとセックスとロックンロールがごちゃまぜに渦巻く厨房で、彼らはフランベの炎で換気扇を焦がす。大声で悪態を吐き、下ネタ限定でエスプリを競い、怪我をした時はなるべく派手に血を撒き散らす。ブリア・サヴァランの美食学や斉須政雄の語る“コート・ドール”やポール・ボキューズの料理哲学なんかとは懸け離れた戦場で、数々のすばらしい逸品が「でっちあげ」られる。

何故だろう?
顔をしかめて本を閉じることが、私にはできない。
時間の経つのも忘れて、ペーパー・バック風に装丁されたその本を貪るように読んでいる。

気がつくと無闇とキッチンに立ちたくなっていて、それも、豪快にフランベなどしたくなっている。実は私は生まれてこのかたフランベというものを試したことがないのだけど(怖い!)。母親は料理酒のアルコールを飛ばすのに鍋をちょいと傾けていとも簡単にガスの火を移していたけれど(うまく行かない時はマッチで火をつけていた)、私にとってフランベは料理における「バカの壁」だ。

そう、今の私に必要なのは時間でも金でもない。
とりあえずは一本のシェフナイフ(手にしっくり馴染む)。それから、フタ付きの小さなスキレットだ。
それさえあれば、私にももっと上手く魔法が使える(はず)。

確かに、料理には魔力がある。
おまけに、それは決して抗えない魔力だ。

数日前、急にビーフシチューが食べたくなった私はためらった挙句にスーパーで「ルー」なるものを購入した。けれど、この本を読み終えた今、私の欲求は「ビーフシチューが食べたい」から明らかに、「ブイヨンと赤ワインからデミグラスソースを作ってみたい」に変わっている。

まったく、傍迷惑な魔力だ。
スポンサーサイト
Comment
≪この記事へのコメント≫
コック時代をふと思い出しました(笑)
フランペは、タイミングと適度な大雑把具合でいい炎の色になりますよー。
デミグラでもありとあらゆるルーの作り方でも、お教えしますよっ。
とりあえず私から言える事は、「ランチは頼むな!」デス。
2008/01/11(金) 00:09:07 | URL | さ。 #-[ 編集]
そう言えば、さ。さん料理人だったんですね! やっぱりランチは危険なのかぁ(笑)

市販のルーのビーフシチュー、やっぱり美味しくなかったです。デミグラスソースの作り方ぜひ教えて下さい~。(フランベは、消火器傍らに練習しようかな…)
2008/01/16(水) 18:42:32 | URL | サト #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する
 
Trackback
この記事のトラックバックURL
≪この記事へのトラックバック≫
Designed by aykm.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。