la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
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夢を夢見る夜
「『タフって知ってる、罵倒語の一つだ』」
(『敵は海賊・正義の眼』神林長平)


たとえば殺人鬼がひとりいたとして、その人格や犯罪の動機や何かについて世間ではよく「まったく理解できない」といった表現が繰り返されるけれど、その言葉は本当は、理解ができないのではなくて共感ができないという意味だ。
理解を超えたものなんて、この世にはそうそう存在しない。
それにしても知ってました? 「先進国」と呼ばれる国の中で死刑制度があるのは、日本とアメリカの50州中37州くらいなものだって。

つまり日本人は「合法的殺人」という言葉よりも「あんなヤツ死んで当然」という言葉のほうに、簡単に共感してしまうわけで。
そんな風な、背筋が寒くなるような(ほとんど殺人鬼と同じ)言葉を、人は平気で他人に向けるわけで。

どうやら私に求められている「強さ」は、あらゆる思想的強姦に無関心になることで。
理不尽な要求に口を噤んで耐え、自分を殺すことで。
結局それがお前のためになるんだから、と、人は言いくるめようとするけれど。

無理解と悪意とに侮蔑と嘲笑でもって応えるのは、果たして強さと言えるだろうか。
もちろん、答えはNO。
タフ、すなわち馬鹿で鈍感ということ。
アプロ(注1)の言う通り、それは罵倒語だ。

注1「アプロ」:神林長平の傑作スペース・オペラ(?)『敵は海賊』シリーズに登場する、黒猫型異星人の名前。

本当は、神林長平を引用するなら絶対に『魂の駆動体』からにしようと決めていたのだけど、今はあの本を再読する気にはとてもなれない。理想から目を背けたくなる時期も、人生にはままあるものだ。

それにしても、「10年ぶりの傍若無人」と煽り文句のついた新刊書を、私はわくわくして書店で手にとったのだ。図書館での下読みもなし。店頭での立ち読みもなし。だって、私の大好きな『敵は海賊』シリーズの最新刊なのだもの(それに文庫だからね)。

でも、今回は海賊課(失礼、対海賊課)の面々はあんまり傍若無人じゃなくて、紋切り型のやりとりを繰り返すだけであんまり暴れてくれなかった。このシリーズの醍醐味であるコメディ色とテンポの良さが感じられなくて、読んでてあまり楽しくなかった(書き手の興味がもうそこにはないのかもしれない)。

そう、実は私の読書のルーツはフランス文学でもロシア文学でもなくSFとファンタジィで、これは明らかに兄の影響なのだけど、今でも、特にSFはときどき読みたくてたまらなくなる。でも、ヴェルヌとかウェルズとかの古典にはあんまり親しんでない(『海底二万里』は何が面白いのやらさっぱり解らなかった。やたら機動力があってしょっちゅう急上昇したり急旋回したりする潜水艦に、宝物を並べたガラスのショーケースなんか置いてあるんだもん。氷に閉じ込められた時は艦内でお湯を沸かして噴射するなんていう情けない脱出方法しかないし。しかもネモ船長が真珠を大事に育ててるのって、もっと感傷的なエピソードかと思ってたのに「博物館に売れば幾らになる」とかいう金勘定だったのね)。

ファンタジーで言えば、解る人にしか解らない話だけど昔はドラゴンランス読んでたし(悪戯者のタッスルが大好きだった)、一応グイン・サーガは今も数巻遅れで読んでるけど、文章の乱れ方が半端じゃないので、読み飛ばしてあらすじを追うだけ。リアルタイムではG.R.R.マーティンの『氷と炎の歌』が面白い。たぶん大人にしか読めないファンタジーだね。
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