la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
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再び、戦場から遠く離れて
「それから、きみたちは爆撃の心配はしなくてよい。ドレスデンは非武装都市だ。」
(『スローターハウス5』カート・ヴォネガット・ジュニア)


今日、新聞にヴォネガットの訃報が載った。

カート・ヴォネガット。ドイツ軍の捕虜として囚われていたドレスデンで、連合国による無差別爆撃を経験した作家。連合国側が1963年までひた隠しにしていたという“ドレスデン爆撃”での死者は“控え目な推計”で十三万五千人、そして、そのほとんどが非戦闘員だったという。

インタビューでこの爆撃について質問されたとき、彼はただ「覚えていない」とだけ答えたらしい。そうして、時間軸を切り刻み、虚実を綯い交ぜにし、宇宙人やタイムスリップといった過剰なスパイスを加え、その上からアイロニーとジョークと下ネタをごちゃ混ぜにしたソースをたっぷりかけて、その戦争をほとんどスラップスティックに近いSF小説に仕立てた。

「しかしヴォネガットには、このようなかたちでしか自分の体験を語る方法はなかったのだ。」(『スローターハウス5』訳者あとがき、伊藤典夫)

深夜のテレビに映るスペクタクルとしての戦争ではなく、最新鋭の戦闘機に乗って難民を追い散らすゲームとしての戦争でもなく、ヴォネガットは空から機銃掃射を浴びる生々しい恐怖としての戦争を知っていた。

SLAUGHTERHOUSEとは、「屠殺場」の意味だ。
それは「戦う」戦争ではなく「虐殺される」戦争なのだ。そして、戦争というのは“そういうものだ(so it goes)” ということを、私たちは的確に想像しなければならない。

しばし、黙祷。
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