la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
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水際の逃走線/アリュート進水式
陸から湖へ。
カヤックで「漕ぎ出す」というのは、ひとつの「越境」だ。
ドゥルーズ風に言うと、陸地と湖との境界を越えたとき、私の身体とカヤックと湖面とが、ひとつの「機械」となる。
「何機械」か?
たぶん、「逃走機械」だ。

無事カヤックに乗り込んだ後、ほんの少しだけ沖へ出て、「進水式」を取り行う。
スプマンテ(イタリアのスパークリング・ワイン)のベビーボトルの栓を開けて、これからの「航海(=カヤックライフ)」の無事を祈りながら湖面に注ぐ。一瞬、ふわりとワインの香りが鼻を掠めて消えてゆく。
これは湖の神様への(そんなものがいるとして)、私なりの献酒。

新しい船が初めて航海に出るとき、そんな風な献酒をする習慣があったのだと、どこで知ったのかは覚えていない。
本来は日本酒でやるのだろうとも思う。
けれど、私はどうしてもワインでやりたかった(本当はモエ・エ・シャンドンにしたかったのだけど、経済的理由からサンテロの「ピノ・シャルドネ」になった)。

アリュート進水式。
無事に、大きなトラブルもなく、終わりました。

本当は来年、少し暖かくなってからかな、と思っていた。
でも、昨日の私の昼食ときたら炭水化物と油と化学調味料だけでできてるコンビニのパン(臆面もなく「グラタンコロッケパン」と名乗っているけれど、実際はどろっとしたクリーム状のものにパン粉をつけて揚げ、どろっとしたソースに浸してパンに挟んだだけの代物)だったりして、これがまた破滅的に不味かった。
そんな昼休み、何の気なしに天気予報をチェックすると、日曜日は晴れ、気温も20℃近くまで上がるとか。急いで風速を確認すると、ほぼ無風。おまけに、Uさんに声をかけてみると「昼間なら大丈夫ですよー」というタフな返事が返ってきた(彼女は私以上に残業していて、そのくせこの日私がキャンセルした飲み会に参加して、翌日の夜もまた別の予定を入れているのに「昼間なら」と即答する、非常にタフな若者なのだ)。

それで急遽、地元(実家)で進水式を決行することになった。

とても、とても良い一日だった。

実際に漕いでいたのはほんの三十分ほど。もうちょっと冒険してみれば良かったな、とは思う。でもロケーションが琵琶湖大橋のすぐ近くで、湖北ほど水は綺麗ではないし、撤収に予想以上の時間をくう可能性もあったし、若干の(誰かに持ち去られても笑い話で済むくらいの)荷物を出発点に残していたせいもあるし、付近でジェットスキーその他の動力船が活発だったこともある(でも、動力船の波に舳先を向けてゆらりゆらりとやり過ごす、そんな一時も楽しかった)。

ともあれ。
アリュートはとても安定感があって、慣れない私をすぐに安心させてくれた。
優しく心強いフネだった。

エアチューブや浮力体への空気入れには少し手間取ったけれど、Uさんのおかげでどうにかなった。心配していた「乗り沈(乗艇する時にひっくり返ってしまうこと)」もしなかったし、暖かく穏やかな天候とアリュートの抜群の安定感のおかげで、安心して「漂う」ことができた。撤収も迅速で、こんなことならもうちょっと長いあいだ漕いでみれば良かった、と、何だか、自分の臆病さが可笑しくなってしまった。

事件らしき事件は、無事上陸して解体にとりかかろうとしていた時に「魚がいます!」とUさんの小さな叫び声が聞こえたことくらい。一瞬何のことか解らなかったのだけど、解体地点に運び上げたアリュートの後部座席のところで、5センチくらいの小さな銀色の小魚がぴちぴち跳ねていたのだ。
湖で泳いでいたのを、偶然パドルですくい上げてカヤックの中に落としてしまったらしい。びっくりしたけれど、即座にUさんが尻尾をつまみ上げ、葦の群落へ放り返してくれた。

強く生きろよ。

本当は、写真の2~3枚も撮って記事にしたかったのだけど。
最初から最後まで興奮状態で夢中になっていて、撮るのを忘れた。基本的に、私は視野が狭く熱中しやすい性質なのだ。
今回の進水式も、冷静沈着なUさんが一緒でなければ、どんな失敗をしたか解らない。

ひとりで生きていくのが性に合っている、と思っていた私だけれど、とんだ驕りだな、と思った。

私ひとりでは、今日の進水式は実現しなかった。あの巨大な荷物を置かせてくれている実家の両親、タクシー会社の電話番号と「貼るカイロ」を持たせてくれた心配症の母親(外はむしろ暑いくらいでカイロは無用だったけど、タクシーは往復ともに呼んだ。偶然なのだけど往路・復路ともに同じドライバーさんで、巨大な荷物も快くトランクに乗せてくれたので、帰りには「お釣りはいいです」と長年憧れていた台詞が言えた!)、運搬方法についてあれこれ口を出してくれた(若干迷惑な)父親、そして一緒に行ってくれたUさん、本当にありがとう。

次回はさすがに来年にします。
本当は何とか自力で運べる方法を編み出して、毎週でも湖に出たいんだけど。
まぁ人間、身の程をわきまえないと。
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