la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
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書を携え、湖(うみ)へ出よう
「いつでも遊びに励め。人生には締め切りがあるのだ。」
(野田知佑の言葉/出典不明)

高校生の頃、カヌーイストである野田知佑のエッセイをずいぶん読んだ。
徹底したインドア志向で体力もなければ根性もなく、運動神経など生まれる前から麻痺していた私が、何を思ってそんなものを読み始めたのかは解らない。
それでも本当に夢中になって読んだし、心底、憧れもした。

カヤックに犬を乗せて世界中の川を旅する。
憧れというのはもちろん、自分もそういうことをしてみたい、という意味での憧れだ。「タフで素敵な男性だわ」という意味の憧れでは、全然、ない。
けれど、それはいつも「男に生まれたかった」という不毛な願望(※)に行きついてしまい、余計に息苦しさが増すだけの読書体験になった。そのうち私の選ぶ本は海外の古典文学や詩集や解りもしない哲学書に変わってゆき、いつしか、川下りや野田知佑のことはすっかり忘れ去っていたのだけれど。

※もちろん、「男に生まれてさえいれば」アウトドア志向で体力も根性もあり運動神経がまともに機能していたかというと、今なら自信を持って「否」と言える。なので、私が女に生まれたのは、この「前近代的現代日本」においてはきっと幸運なことだったのだろう(このポテンシャルで男に生まれていたら絶対「男のクセに」と言われる社会だ)。

さて、私とカヤックとの運命の再会は昨年のこと、と言ってももちろん乗ったわけではなく、ちょっと前に触れたことのある梨木香歩のエッセイ『水辺にて』を手に取った瞬間だった。

その本に綴られていたのは、カヤックで漕ぎ出す水辺=ウォーターランドのこと。静謐で、そのくせ生命の物音に満ちていて、限りなく広がる宇宙のこと。

そうだったのか、と思った。
十代の頃あんなに私を魅了したのは、実は「冒険」ではなかったのだ。
もしかすると「旅」でさえなかったかもしれない。
多分それは水辺の風景、水辺の音やその匂い、そして生命の気配だったのだ。

小説家でなければ惣菜屋になりたかった、と語っているらしい梨木香歩の文章は、どこか高山なおみ(の料理)に似ている。滋養、という言葉は梨木香歩をたとえるには少し泥くさいけれど、「飾り気のない澄んだ伸びやかさ」とでも言うのだろうか、心に身体に、すうっと染み込んでくるのだ。そして、いつもは胸の奥底のしまわれて忘れられている感覚が、網に捕えられてぐうっと引き上げられる感じ。意識の領域に浮かび上がるというのではなく、外からの、引き上げる力をダイレクトに感じるのがすごい。

そうだったのか、と再び思う。
カヤックというのは何も、辺境を旅したり激流を下ったりするための道具じゃないのだ。梨木香歩が書いている通り、「人の毎日の営みの延長線上の工夫で、ちょっと水面に出てみた」、という、そういうものなのだ。

もちろん、ボートなのだからそれなりに大きいし重さもある。車がなければ移動は困難だ。けれど、調べてみると最軽量のファルト(=ファルトボート、折りたたみ式のカヤック)なら総重量12キロ。私には比較するものがお米くらいしかないのだけど、「お米よりちょっと重いくらい」だと思えば、私にも少しは担いで歩けるだろう。それに、車がなくても、公共の交通機関を使ってファルトを楽しんでいる人は結構いるらしい。

そんなわけで、今年、私はカヤックデビューを決意した。

いつか近い将来、自分のカヤックでびわ湖を漕ぐのだ。
漕ぐったら漕ぐのだ。

追記。
まず第一段階としては、とりあえず「カヌー体験教室」に行く予定(まさかの「そこから」のスタート!)。
それでよほどのことがなければ、第二段階は自艇購入(早っ)。実は、どこのメーカーの何にするかはもう決めてある(早っ!!)。
私にとってはすごく、ものすごく大きな買い物だけれど、十年越しの夢だもの、ここは思い切って。

というわけで、現在「カヤック部」部員募集中です(現在部員1.5~2名)。
カヤックやってみたい方、もしくはカヤックをやってみたい人にカヤックの魅力を伝導したい方、もしくはこの酔狂に付き合ってやろうという方、奇跡的にこのブログをご覧になっていたら、ぜひご応募ください。下心(!?)のない方ならどなたでも大歓迎です♪
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