la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
キリエは不要
「自己だと? ふざけるな。こんな世界、ただのでっかい冗談だ。」
(『解体屋外伝』いとうせいこう)


近頃ピノ・ノワールもいいなと思うようになって(木苺の香りがキュンと来るのがいとおしくって)、要するに熱烈なボルドー信者だった私がそんな風に思うようになるのだから「絶対」なんてこの世にはないんだということ。永遠に変わらないものもないんだということ。

その不確かさは悲しみではなく絶望でもなく、むしろあらゆる諍いの種からの解放。
♪グローリア、グローリア♪(←ヴィヴァルディのグロリア・ミサです。リクエストの際は「キリエは不要」と一言添えて下さい。)

自分の趣味嗜好の変化を万物の流転と一緒にしていいのかね。
でも、「こんな世界、ただのでっかい冗談」だしね。

そう言えば高校生の頃、いとうせいこうを夢中で読んだなぁ(この人は私にとってタレントではなく作家だ)。『ワールズエンドガーデン』は、物語より人物より、町が魅力的だと思った。近未来の猥雑で胡散臭いムスリム・トーキョー。カッコいいと思った。でも懐かしくなって去年読み直してみたら存外、陳腐でつまらなかったので驚いた。『解体屋外伝』も昔はすごく面白いと思ったんだけど、今読んだらどう思うんだろう。

ああ、そう、万物は流転するのだよ。
諸行無常って、琵琶法師が語るほど悪くないよね。

追記。

今日、職場でトイレに入ったら頭上から獣のうなり声が聞こえた。
・・・ウゥゥ、グルルルル・・・。
それはまるっきり、腹をすかせたグリズリーの唸りだった。
ぎょっとして振り仰ぐと視線の先には換気扇があって、なぁんだ換気扇の羽の音か。と思ったのだけど、私は「今、背後に腹をすかせたグリズリーがいる。もうすぐ、換気扇のフィルターを破って襲ってくる」と想像しながら用を足した。
けっこう恐かった。
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