la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
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ギャンビットは受け入れられない
「だって、先に私を拒絶したのは貴女でしょう。」
(アリス・フォーリング『クイーンズ・ギャンビット』)


このブログで二度目ですが、コメントの返事を記事にしてしまいます。

感想として。
実は一瞬、テレビ擁護論かと思いました。「こんな立派な視聴者だっているんですよ」という反論かと…失礼しました。でも語学のために海外ドラマを見るというのはテレビの見方としては悪くない、というか、目的があって結果がついてくるのならそれはなかなか「立派」なことなのじゃないかと…腑抜けの私としては思います(さすがに食事中にテレビを見るのは、番組の内容を問わずその食事が哀れだと思いますが)。

寄り道として。「頑張れ」「頑張ろう」、浅薄な励ましの言葉。掛け値なしの善意が相手にとって負担になり得るということ、哀れで悲痛な齟齬、もどかしさとやりきれなさ、等々。

さらなる寄り道として。人の感情のエネルギーを物理的に利用できたら、というSF的空想が私にはずっとあって、怒りや悲しみ、愛情、優しさ、歓喜、嫌悪、侮蔑、といったもろもろの感情を、「愛は地球を救う」式のお天気で間接的な作用ではなく、かと言って「涙を流しすぎて辺り一帯が海になる」式の無駄な作用でもなく、たとえば激怒している人の怒りのパワーでタービンを回して電力を賄う、というような、質や方向や意味や価値を超えた純粋なエネルギーとして作用させることができたら、これはもうエコの最たるものじゃないのだろうか(安定供給の保証はないけど)、云々。

プレイバック、本題として。
テレビを拒否する心理の一面だけを取り上げるなら、優越感60%、劣等感40%というのが正直なところ。通俗的なもの、下世話なもの、理性や知性を無視するものを見下す心理は明らかにあって、それを否定するほど私は八方美人ではない。

いちばん大きいのは、既に選別され洗浄されたのち脚色された情報な対する猜疑心だ。どこまでが事実でどこからが被害妄想か自信を持って言い切ることはできないけれど、それでも事実80%、被害妄想20%くらいだろうと思っている(私のメディア不信はそれほど根深い)。

そして、40%の劣等感。これは十代の頃、「多数派に属さない」ということが「どこにも属せない」と同義だった時代の名残だ。クラスメイトと話を合わせるために、見たくもないドラマやバラエティや歌番組を(恋愛をしか歌わないポップスターたちの切り刻まれた断片ではあっても、音楽であるというだけで歌番組はまだしも楽しめたのだけど)、じっと見つめていた日々の思い出。

これを書きながら、何故か劣等感が50%を超えてじわじわ膨らんでくるのを抑えられずにいるけれど。

私は劣等感の裏返しとして「大衆」という乱暴な枠を打ち立て、その中に人々を押し込めて侮蔑するのか?
おそらくイエス。そう、イエスだ。
…哀れな私。

でもとにかく、大人になった私は自分の部屋を持ち、そこからテレビを排除することに成功した。
そのことは、単純に嬉しい。この気持ちで太陽光くらいの発電はできそうなほど。そして「テレビ持ってない」という話がネタとしてけっこう盛り上がると気づいた時、私は確かに何かから解放されたのだ。そのことも、(たとえ三葉虫の化石扱いされようと)単純に嬉しい。

大人になるって素晴らしい。
決して自己肯定でも人生讃歌でもないけれど、大人になるって、素晴らしい。
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Comment
≪この記事へのコメント≫
君の悲哀が、いかに大きかろうと、世間の同情を乞うてはいけない。同情のなかには軽蔑の意が含まれているからだ。
(プラトン)

それに発奮してはくれないとわかっているのに、「頑張れ」と言いたくてたまらない。
私もまた、この熱いのみの浅薄な言葉を使いたい愚か者の一人であり、おおよそ堪えて口に出さずにいるものの、その自己満足的衝動には虚しさを感じるばかりである。
2011/10/01(土) 23:49:33 | URL | W #-[ 編集]
「結局のところ、彼が一番恐れたのは、自分の痛みではなく、自分のせいで生じているかもしれない他人の痛みだった。」
(スティーブ・エリクソン『Xのアーチ』)

軽蔑されることをではなく、軽蔑してしまうことを恐れる気持ち。それは、たぶん有益なものではないけれど、有益なものよりもずっと重要なことだと思います。

あと、それとは別に、プラトン読まなきゃな、と思いました。
2011/10/03(月) 23:53:52 | URL | サト #-[ 編集]
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