la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
once upon a time...
「ぼくたちは小さなことをするんだ、たとえあまり重要なことには見えなくても。」
(『ドラゴンランス』マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン)

ドラゴンランス。
初訳出時のタイトルは『ドラゴンランス戦記』。
わぁ懐かしい。
お馴染みブックオフで、古本の神様から思いがけない変化球が飛んできた(ハードカバーの新装版、一冊二百円也)。

中学生くらいの頃だったか、夢中になって読んだのだ。悪戯者のタッスルホッフが大好きで、彼の冒険にはほんとに一喜一憂した。

指輪物語もそうなのだけど、私は昔から「小さき者が世界に立ち向かう姿」にめっぽう弱いらしい。

今、新装版の2冊目。ザク・ツァロスからソレース、クォリノストを経て、一行はパックス・タルカスにいる(初めて読んだ時ほど夢中にはならないけど、こういう架空の地名には未だにわくわくする)。タッスルの次に好きだったキティアラはまだ出て来ない。

懐かしい面々は相変わらずアメリカンに我儘放題。性格のねじまがった魔術師に単細胞の大男、時代遅れの堅苦しい騎士、年寄りの偏屈ドワーフに余計な事ばかりやりたがる鬱陶しいお喋りケンダー(これがタッスルホッフ)。
こんな面々を率いる生真面目ハーフエルフには本当に、同情を禁じえない。

うーむ。
さすがに今読むと大味な印象だけど、まぁ面白い。ただ、挿画が昔ながらのアメコミ風なのが何とも残念だ。タッスルなんかヘンなカンフーの達人みたいだし。せっかくの新装版(と言っても最近出たというわけではないが)なのだから、もう少し垢抜けた彼らの姿を見たかった。

で、ここからがようやく本題。
「夢中になって読む」という感覚は子供の頃の方が強かった、と思うのだ。あの感じに浸りたくて時々、昔好きだったSFとかファンタジーを手に取ってみるのだけど、あの頃の夢中さと同じテンションでは読めなくなっている。

当然なのかも知れないけど、何だか腑に落ちない。

だって、私は今でも魔法使いになりたいし(「大審問」は勘弁して欲しいけど)、エルフやドワーフの造った都を見てみたいし、ドラゴンの背に乗って空を飛びたいのだ。

本を読むことって、子供の頃はそういう体験だったよなぁ。

まぁその代わり、大人になると読める本の幅は飛躍的に広がるし、ようやく面白さが理解できるようになった作家も少なくないから、これはこれで良し、なのかなぁ(ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』なんか、高校時代にあの分厚い上下巻を必死で読んで、「何だよぅそんなオチかい!」と浅薄にも怒り狂った覚えがある。今ならこの大作が持つ「あらすじ」意外の精緻な魅力が少しは解る。…と思いたい)。

うーん、大人になるってこういうことなのね(と、唐突で無理からな結論)。
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