la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
8×8の迷宮

「間違いをしても、詩的なんだよ」
(『ユニコーン・ヴァリエーション』ロジャー・ゼラズニイ/アンソロジー『モーフィー時計の午前零時』所収)

前の記事で触れたチェス小説アンソロジー。

ゼラズニイが、すごく良かった。

廃墟と化した酒場で、人類の滅びの気配を察してやって来たユニコーンと、ひとりの旅人が出会う。
そうして始まる、男とユニコーンとの奇妙な対局の物語。

ほんの数ページの世界が、私の心を満たす。

ゼラズニイは確か『伝道の書に捧げる薔薇』を昔読んだきりなので、これから少しずつ、読もうと思う。

ちなみに目次の最後にあったロード・ダンセイニの『プロブレム』、そういうタイトルの短編だと思って楽しみにしていたら、開いてみるとダンセイニが考案したチェスのプロブレム(将棋でいう詰め将棋の問題のこと)が載っていた。

私はチェスができる、と言っても駒の並べかたと動かしかたを知っているというだけのことなので、もちろん考える前に答えを見る。

すごいなぁ、と、感嘆することしかできない。

無性にチェスがしたくなって、思わず仕事帰りに100円ショップに寄って、携帯用チェスセットを買ってしまう。

画像は、この本に載っている歴史的名局の一場面。1922年、ボゴリュボフ対アリョーヒン。途中まで棋譜をたどって再現しても、盤上で何が起きているのか理解できない。

ひとつだけ理解できたのは、チェスが私の思っていたのとはまったく違うゲームだということ。

どうやら、取れる駒は取れば良いという話ではないらしい。

私は美しいものに弱い。
ワインも然り。
俳句も然り。
チェスもまた、私を眩惑するには充分すぎる美しさを持っている。

こんな感じですぐあれやこれやに夢中になるから、私はいつまで経っても「何者でもない」んだろうな。

でもまあ、趣味だし。
しばらくは8×8の迷宮で遊ぶことにします。
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