la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
木犀の香の厭わしく夜鳥啼く
秋の空が、無駄に青い。

どことなくプラスティックを思わせる夏の明るい青とは違って、ほんの少し透明度を増し、深さを増し、こちらの魂をすうっと吸いこんでしまいそうな色をしている。

そのうえ金木犀の香りが空気をすっかり金色に染め上げてしまって、秋というと赤や茶色の印象があるはずなのに私の目には何故か、なめらかな群青色を背景に金のスプレー塗料をまき散らしたようなイメージが見えている。

それで、締め切った窓の内側にまで金色の霧が忍び込んでくるのが厭わしくて、私は子供のように甘え、駄々をこね、最後にはとうとう泣き出してしまう。

何も、悪いことなど起こってやしないのに。

何だか、魂が自分の身体を抜け出したがっているのを感じる。
これは旅心ではない、と、強い不安とともに私は悟る。
とても良く似てはいるけれども、絶対に違う。
もちろん、お馴染みの郷愁でもない。

なんてことだ、私はどうやら死にたいのらしい。
さほどの閉塞感も切迫感もなしに、ただぼんやりと、消えてしまいたい気持でいるらしい。

何も、悪いことなど、起こってやしないのに。
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