la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
ロシアン・ルーレットの妙
「引き留めるわけにはいかないが、追い越すことはできる!」
(『アザゼル』ボリス・アクーニン)

機敏で鮮やかな手腕。
予想外の面白さ。
『堕ちた天使』というのは訳者ではなく編集者か出版社が決めたタイトルだろう。原題はただ『アザゼル』とだけ、言わずと知れた悪魔の名だ。

舞台は19世紀のロシア。主人公は弱冠二十歳の刑事…と紹介されているが実際は特捜部の文書係で、上司には警察より官房向きだと評されている好青年。純情で物腰が良く、頭の回転は早いが肝心なところで一寸抜けている。

実に垢抜けたエンターテイメントだ。最初は「突飛な自殺」だったはずの事件が様々にその意味合いを変えてゆく。誰が敵か味方か解らなくなる。それでも主人公ファンドーリンは直感に導かれるまま、巨大な陰謀の渦中へ飛び込んでゆく。
国際陰謀モノ、ハードボイルドっぽい装丁とは裏腹に、全然マッチョなところのないファンドーリンの造形が好ましい。

久々に時間を忘れて一気に読んだ。借りたのが昨日の午後なので、正味二時間くらいで読了したことになる(!)
古典漬けの頭には良い刺激。「テーマ遊び」、これだからやめられません(偶然にもこの小説はロシアン・ルーレットから始まる)。ちなみにファンドーリンのシリーズは四作くらい出ているらしいので、先が楽しみ。
追記、映画化も良いかもしれない…ただハリウッドには向かないラストシーン。撮るなら飽くまでもロシアということか。
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