la petit cuvee

“プチキュベ”と、舌ったらずに発音して下さい。 くれぐれも、「ヴェ」と下唇を噛まぬよう・・・。
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夜更けのワルツ
切り捨てることのできない、ささやかで大切なもの。

波に洗われた白い貝殻で作った、小さなイヤリング。

逃れなければならないはずの危険を忘れて、「お嬢さん」は振り返るのだ。

何の話かって、「森のくまさん」。

お逃げなさいと言われて逃げ出したお嬢さんは、お待ちなさいと言われて足を止めてしまうのだ。
それも、「白い貝殻の、小さなイヤリング」のために。

切り捨てることのできない、小さな小さなもののために。

こういう種類のものは、ピアノ線のような細く強いテンションを持って後ろ髪を引く。
そのピアノ線は心臓をきれいに一周、くるりと巻いているものだから、微かに引っ張られるだけで鋭い痛みが胸を刺す。

それを振り切って逃げることなど、想像もできないほどに。
そんなことをすれば死んでしまうに違いないと思わせるほどに。

捨てられない何かのために危険な領域にとどまるのは、決して珍しいことではない。「お嬢さん」の愚かしくも愛らしい選択、つまり、自殺行為だと知りながら燃える建物の中へ駆け戻ってゆく人々の痛切な愛情。

胸の辺りに、この「白い貝殻の小さなイヤリング」がつかえているような気持ちで、いま私は日々を過ごしている。

連想するのは『日々の泡』の、クロエの胸に咲く睡蓮。けれど、それほど美しくはなく、それほど致命的でもなく…。

幸い「森のくまさん」は、お嬢さんとくまさんとがダンスを踊っておしまいになる。くまさんは、お嬢さんを取って喰ったりはしないのだ。

夜半、穏やかな睡魔に襲われる一時。
貝殻のイヤリングとクロエの睡蓮を思いながら、私はゆっくりと、目を閉じる。

眠りから醒めることを、待ち望んでいるのか、それとも怖れているのか。

自分の思惑とは無関係に夜が明けることを、たぶん、私は歓迎しているのだろう。

自分の胸にあるのが睡蓮ではなく貝殻であることに、安堵してもいるのだろう。
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チェンジリング・イン・ザ・ガーデン

ひとつだけ芽を出したと思っていたバジル、育ってきたら実はタイムでした。

ううむ。
隣の鉢から去年落ちた種だろうか。
ちなみに、周りに顔を出してるのがバジルです。

ディルも芽を出して、ようやく本当に春かな、という四月末。
偽善者の祈り
「これは何年かに一度だけしか起らぬような、人の精神状態が正確に心の眼にうつる瞬間の一つだった。」
(『緋文字』ナサニエル・ホーソーン)

…人の(己の)精神状態が正確に心の眼にうつる瞬間。

その瞬間を、私は恐れるだろうか?

否、恐れはすまい。
自分の精神状態ならば、それが心の眼にうつることは、むしろ冷静な理知の瞬間として歓迎されるだろう。

私が恐れるのは、この心の眼に、「他者の」精神状態が正確にうつる瞬間なのだ。

それが何年かに一度ではなく、しばしばあるので参る。

煩くて重くて意識が引きずられる。通りを歩いていて、民家の窓の向こうに不和の景色を見てしまうのと同じ。

誰かが傷つき疲れて、声もなく泣いている。
誰かがその傍らで、どうにもならない怒りと混乱に身を焼かれている。

それらの不幸を前に、私にはいったい何ができるのだろう?

彼ら/彼女らが私に向けて何かを語ってくれるなら、私は耳を傾けよう。語ることで、ただそうすることで、癒える傷もあるだろうから。

私は神を信じない。
けれど、他者のためなら祈れる。

神様、冷徹で残酷な…。
でも確かに、祈ることで、ただそうすることで、癒える傷もあるらしい。

…少々『緋文字』調の出だしだったけど、読み返してみると、自分を神様に見立てているようにも受け取れる文章。

ああ、こうして訪れる冷静な理知の瞬間は、私を深刻な自己嫌悪へと導くのだ!

…と、再び『緋文字』調で締めくくってみる。
春だよと、一度は呼んでみたものの…
20100405203607
「ひと知れぬ恐怖で身動きもかなわぬ、苦悩のさなかのマイナデス」
(『C.神父』ジョルジュ・バタイユ)

…というのは私のことではなく、ベランダのバジルのことです。

ぜんぜん大きくならないんです。このところの寒さと天候不順が原因だとは思うのですが。

しかも、隣のプランタに植えたベビーリーフを、夜中に何かが荒らすんです。

それも一度や二度じゃなく、やたら激しく掘り返すものだから、ベランダが土だらけになるんです(画像参照)。

おぅい、それは私のエサだよぅ。
あんたのエサじゃないんだよぅ。

バジルの鉢には見向きもしてないので、ハーブの香りは苦手なのらしい。

ということで昨日、あらためてバジルの種を混ぜて撒いてみました。

やっと本当に暖かくなってきたし、うまく育つと良いな。
もちろん、先に撒いたバジルもね。
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